我、京大生ぞ

現役京大生の雑記。メインテーマは大学受験とプログラミングと英語と京大の日常

現役京大生が感じる大学受験の勉強で役に立ったこと・役に立たなかったこと【教科別】



こんにちは、京大生ブロガーのゲーテ(@goethe_kyodai)です。


京大に合格するまでに、国語・英語・数学・地理・物理・化学にそれ相応の時間を費やしました。


にも関わらず大学以降、身につけて役に立たなかったことがたくさんあります。


一方、大学以降役に立ったこともたくさんあるので、大学受験の勉強も捨てたもんじゃないですね。


そんな京大生のゲーテが、大学受験の勉強で大学以降に役に立ったこと・役に立たなかったことを教科別に書き連ねました。


目次

 
 



国語

役に立ったこと

接続詞のちゃんとした使い方


現代文では文章を読み解くのに「だから」や「しかし」などの接続詞が鍵となります。


そして解答を作るときも「だから」や「しかし」などの接続詞を適切に使って論理関係を表すのを意識します。


接続詞の使い方に敏感になるんです。この感覚は文章を書くとき(ツイートするときやブログを書くとき)に大いに役立ちました。

正しい文章での解答の仕方


国語の問題は文章を通してのコミュニケーション力を問います。


理由を聞かれた時は「から」で終わる、どんなこと?と聞かれたら「こと」で終わるなど、「文章で聞かれたことに聞かれた形で答える」意識は、大学以降レポートを作るときや論文を作るときに大事になってきます。


「そんなことできて当然だろ!」と思うかもしれませんが、文章でのやりとりになると、しっかり意識しないと「聞かれたことに答えてない」ということが出てきちゃうもんなんです。

文章の速読法


現代文の先生はこう言ってました。


「文章は全部読むな!具体例は飛ばせ!」


このアドバイス本を読むときにめちゃくちゃ役立ってます。具体例は主張を支えるものでしかないので、主張が理解できたら読む必要はないんです。


飛ばすだけで2倍早く本を読めると思います。「時間がない時は主張だけ読め」というアドバイスも役に立ってます。それらのアドバイスがあったからこそ1000冊本を読めました。
 
 


本を1000冊読んでわかったこと


京大生が本を1000冊読んでわかったこと - 我、京大生ぞ


役に立たなかったこと

悪文を読み解く力


大学の国語の問題っていうのは、わかりやすい文章だと差がつかないため、悪文が出されます。


悪文を読み解かないと点数が取れないので、みんな頑張って悪文を読み解く訓練を積みますが、そんなものは無駄でした。


なぜなら大学以降、悪文に触れる機会はほぼないからです。「悪文=読みづらい文章=読む価値のない文章」なので、読むこと自体奨励されません。


「難しい専門書を読み解く」=「偉い、かっこいい」という価値観が日本の高学歴に蔓延ってるのはこのせいでしょうか?本はわかりやすいに越したことはありません。

漢文・古文の知識


大学の専門どころか一般教養科目でも一切使いませんでした。使うとしたらクイズ番組ぐらいでしょうか。


「漢文や古文のような教養こそ大切!」とおっしゃる知識人(笑)もいますが、教養より食っていけるように実学を学ぶのが大切です。教養なんてのは実学のあとで暇だったら学べばいいと思います。

数学


コチラにまとめました。



英語

役に立ったこと


全部!


これはマジです。英単語や英文法はもちろん、英作文や英語長文、リスニングや英文解釈もバンバン使います。全部使えます。


「日本の英語教育では文法を詳しくやりすぎ」という批判もありますが、全然そんなことないです。エッセイや論文など英語で書くときは、文法が正しい文が書けるのは大前提です。文法の知識がありすぎて困ることなんてないです。

役に立たなかったこと


なし!


本当にないです。「受験英語なんて役に立たない」って人は受験英語をちゃんとやったことないか、大学以降英語に触れてなかった人です。
 
 

 
 

地理

役に立ったこと

貿易の知識


経済学や金融の勉強をする上で、地理で得た貿易の知識はかなり役に立ちました。


「オーストラリアとニュージーランドはお互いに最大の貿易相手であり、通貨の価値も同じように動く」という金融の知識がありますが、前半の部分は地理で習ったのでスッと受け入れることができました。


このように最大貿易国や輸出・輸入品目は通貨の価値は密接に結びついてます。貿易の知識あれば、経済が見えてきます。

役に立たなかったこと

地形の知識


カルスト地形がどうとか、砂嘴や三日月湖がどうとかの地形の知識は全く使いません。地震学でも学ばない限りはでてこないんじゃないでしょうか?





物理

役に立ったこと

モデルに落とすという考え方


これぞ物理の主軸となる考え方です。高校物理では自然現象を説明するのに、ある「モデル」を考えます。


例えば運動方程式(F = ma)です。これは実際にそうなってるというのではなく、「こう考えたら運動を説明できるのではないか」というのを式という形でモデルで表したものです。


モデルというのは、データと一致するので「完全にあっているとは言い切れないが、まあこれで合ってるでしょう」程度のもの、という点が注意ですが、自然現象を説明するのに強力なことは間違いありません。


この考え方は高校物理だけでなく、大学以降の物理でも同じです。物理だけでなく、工学でも「数理モデル」として幅広く使われてます。


この「数理モデル」が妥当かどうか、誤差はどんくらいか、などを解析するのが大学以降の勉強ですが、このモデルという考え方を自然に受け入れられたのは高校物理のおかげです。


また、ビジネスでもビジネスモデルというのがありますが、数理モデルと考え方は同じです。ユーザーの購買の動向などをモデルに落とし込んで考察してそれを元に経営判断し、利益を出してます。

論理的思考力


高校物理では、論理的に妥当なモデルを考えだし、そしてそこから式を論理的に導きます。こんな風に論理を使うところが多いので物理を理解し、さらに応用問題を解く上で、自然と論理的思考力が身につきます。


解答も穴埋めではありますが、論述形式で、論理的に組み立てる力が要求されます。そこでも論理的思考力がつきます。


この論理的思考力は普遍的な力で、大学以降の物理数学にはもちろん、ビジネスでも大いに役たちました。私の場合はブログですね。「このページはこうだから、直帰率が低い」のように、論理的思考で仮説を組み立ててます。

習った単元全部


高校の物理は、大学で、「物体の運動」は「力学」という分野で、「熱」は「熱力学」という分野で、「波動・原子」は量子物理学や振動波動論という分野で、「電磁気」は「電磁気学」という分野で出てきます。理工系なら必修なところが多いのではないでしょうか。


高校物理を基本原理から丁寧に組み立て直そうというのが大学の物理です。そこで高校物理の知識はバンバン使います。マジで無駄な単元は一個もなかったです。

役に立たなかったこと

公式暗記力


物理の公式は全部簡単に導けるものですが、試験で解くスピードの関係で最終的には覚えてしまわなければいけません。


ですが、大学以降では、研究するときに教科書に載っている公式を覚える必要は全くありません。書いてある結果をわざわざ暗記するのは脳の無駄使いです。

計算力


物理ではめんどくさい計算を結構やらされます。特に京大物理の入試問題では複雑な計算を手計算でやらされます。


ですが、大学以降は、計算なんてプログラム書いて一発どん!グラフもプログラム書いてプロットどん!の世界なので、計算力なんて全く必要ありません。
 
 

 
 

化学

役に立ったこと

パターンを列挙する力


有機化学で、「考えられる構造式を列挙せよ」みたいな問題あったじゃないですか?あれって組合せ数学の問題だったんですね。組合せ数学はコンピュータサイエンスでめちゃくちゃ出てきます。


その問題を解きまくる中で得た、「パターンを全列挙するセンス」みたいなものが、コンピュータサイエンスの色々な学問の理解に役立つことがありました。

フェルミ推定的考え方


フェルミ推定を始めて知ったとき、その考え方に新鮮さはなんらありませんでした。なぜなら化学で似たようなことをやっていたからです。


PV=nRTから気体の圧力を求めたり、混合溶液中のFeの濃度求めたりするのはフェルミ推定と似たようなことをやってます。


物事を最小の要素に分けて、そこから論理的に組み立てて求めたい結果を出すのがフェルミ推定で、それは高校化学の計算そのものです。


就活やビジネスで使うフェルミ推定を化学を勉強するだけで自然と身につけられたのは大きいですね。

役に立たなかったこと

計算力


理由は物理と同じです。化学でも、謎に複雑な計算問題は必ず出ますが、手計算で正確に答えを導き出す力なんて身につけても大学以降何の役にも立ちません。

無機化学の知識


学部学科によりますが、無機化学の知識を一切大学以降使いません。ハーバーボッシュ法みたいな製法なんて一切出てきません。